上告不受理ということの意味。

カイロプラクティックが地方税法72条の2第8項14号の請負業に当てはまるのかを争った訴訟ですが、控訴審で勝訴し、神奈川県は最高裁に上告受理申立をしましたが、不受理となりました。
一般的に、最高裁判決は法的拘束力を持ちますが、上告不受理という結果はどのような意味を持つのでしょうか?

上告できる場合

日本の裁判は三審制なので、地裁、高裁、最高裁と争うことができます。

このうち地裁と高裁は事実審と呼ばれるのに対し、最高裁は法律審。
最高裁は事実誤認などについては原則として一切争うことが出来ません。

最高裁への申し立ては、上告と上告受理申立ての2種類あります。
上告は基本、高裁判決に憲法解釈の誤りがある場合に限定されます。
上告受理申立は、法令解釈に重要な事項を含む場合も出来ますが、受理するかどうかは最高裁の一存。

最高裁は判決を出さずに、決定というシステムがあります。
判決を出す場合は口頭弁論をしないといけませんが、決定の場合は口頭弁論をせずにできます。
上告棄却の決定も出来るし、上告不受理の決定も出来る。

事業税訴訟では上告不受理だったので、最高裁は何ら判断を下すことなかったということになります。

上告不受理の意味

判例として強い意味を持つのは最高裁判決のみですが、最高裁は上告を受理しなかったので、事業税訴訟は最高裁判決ではありません。
そのため、絶対性を持つ判例とまでは言えませんが、高裁判決も一定の重みがあるので、同様の訴訟が提起されると同じ判決が出る可能性が高まります。

そもそも、カイロプラクティックを請負業として課税していたのはたった3県しかありませんし、全国的に大きな影響を持つとも言えません。
しかし請負業の定義について、請負契約のみ(民法632条)と判示されたことには大きな意味があり、システムエンジニアなど他業種にも影響を及ぼすかもしれません。

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