アフィリエイトは果たして広告業なのか?個人事業税問題を考える。

アフィリエイトで収益を上げている人にとって、気になるのは税金です。
まさか確定申告してないという不届き者がいるとは思えませんが、アフィリエイトに個人事業税がかかるのかどうかというのは、各都道府県でも扱いが違うようです。

個人事業税は地方税法により決まっている税金ですが、1つの法律に対して、各都道府県が独自判断して課税している実態のほうがおかしいわけで。

個人事業税の広告業の定義

そもそもですが、広告業という業種がなんなのか、定義から調べる必要があります。

広告業の定義は、事業税逐条解説(自治省)によると、以下のようになっています。

広告業とは、対価を得る目的で、他人の依頼により広告を請負う事業をいう。
なお、自ら広告を行うことなく、広告の取次ぎをなすいわゆる広告取次業は広告業ではなく、周旋業に該当するものである。

これを読めばわかると思いますが、地方税法で定義された広告業というのは、あくまでも広告代理店のような形態で業務を行っている場合を指します。
決して、【広告収入を得る業】ではないのです。

広告業としてアフィリエイトが課税されるのは完全な間違い

アフィリエイトは、広告収入を得ているわけですが、広告を誰かから依頼されて作っているわけではありません。
なので広告業として課税されるのは完全な間違いです。

個人事業税で課税対象となっている業種は、地方税法第72条と政令で決まっています。
それぞれの業種には、その定義があります。
その定義を解説しているのが、事業税逐条解説になります。

他に例を挙げると、例えば鉄道会社は、鉄道事業により収益を上げていますが、駅や車内にはたくさんの広告を掲載しています。
でも、決して広告業ではないですよね。
鉄道事業の一環として広告収入が上がっているに過ぎません。

電力会社は、電柱に広告を作り広告収入を得ていますが、事業内容としては発電や送電です。

テレビ会社は、スポンサーからの広告料で成り立っていますが、広告業ではありません。

広告業の定義から見る限りでは、収益形態(広告収入)ではなくて、事業形態(広告作成)をターゲットとしているのは明白です。
地方税法に定義された広告業は、広告を作る立場の事業者の話なので、アフィリエイトは当然対象外です。

そのほか、電気通信事業、仲立業、請負業などと言われるケースもあるようですが、それについて解説します。

そもそも、【アドセンス】と【アドセンス以外】では意味が違う

アフィリエイトの収益を得るものとして、有名なのはグーグルのアドセンスですね。
そのほか、楽天とかアマゾンもあります。

ここで考えて欲しいのですが、楽天とかアマゾンの場合、商品のリンクを貼って宣伝し、商品が売れた場合には収入となります。
その手数料を頂くわけです。

アドセンスについては、広告リンクを貼り、ユーザーが広告をクリックした場合に収益となります。

まず、請負業というのは完全い間違いです。
請負業の定義は、

対価の取得を目的として、仕事の完成を約束し、完成と同時に報酬を得る業

請負業では、仕事の完成を約束していないといけませんが、アドセンスだろうとアマゾンだろうと、約束したのは広告リンクを貼るということだけで、具体的な完成を約束していません。
請負における完成は、具体的かつ客観的でなければなりません。

次に電気通信事業です。

電気通信事業(放送事業を含む)とは、対価の取得を目的として、他人の需要に応じるために、有線、無線その他の電磁的方法により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けるための電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、又は電気通信設備を他人の通信の用に供する事業をいう。

これがアフィリエイトに当てはまるのかは、極めて疑問です。
この電気通信事業というのは、いわゆるプロバイダーみたいなものを想定しているのだろうと思われます。

そして、最後に仲立業。

仲立業とは、報酬を得る目的で他人間の商行為を媒介をなす事業をいう(商法543)。
仲立業としては、商法または有価証券の売買仲介、船舶の貸借または用船契約の仲立、海上保険等の取引についての仲介、手形割引の仲立等を業とするものがこれに当たる。仲立業は、他人の媒介をなすという点において広い意味の周旋業に該当するが、地方税法上では、他人のために商行為の媒介をなす事業を仲立業とし、それ以外の行為の媒介すなわち民事仲立は周旋業として区分している。

これは、アマゾンアソシエイトや楽天アフィリエイトなどで、商品リンクを貼って宣伝している場合には該当する可能性が出てきます。
アマゾンや楽天では、商行為の媒介と見られてもおかしくないですし、実際に売れた場合には決められた手数料を貰うわけですし。

ただし、アドセンスについては、該当しません。
アドセンスは広告リンクユニットをHPに貼り付けるだけですが、その広告を踏んだ人が実際に広告先のものを買おうと買わなかろうと、こちらにはクリック単価が入ってきます。

アドセンスとアフィリアエイターの契約は、あくまでもグーグルの規約に則って、リンクを貼り、クリックした人が現れたら収益になるというものですが、この形態はどこにも当てはまりません。

ただし難しいところですが、多くのアフィリエイトサイトというのは、世間を騒がせているニュースの解説であったり、趣味に関わるものの解説を書いていることが多く、そこにたまたまアマゾンなどのアフィリエイトリンクを貼っているに過ぎません。
積極的にアマゾンなどのアフィリエイトリンクを貼り、その票品の宣伝をしているのであれば、商行為の媒介目的でサイトを運営していると言えるでしょうから、仲立業でも問題ないでしょう(ただしアドセンスは除く)。

ですが、ニュースの解説などをメインで書き、記事の内容とは関係なくなんとなしに貼られているアマゾンのアフィリエイトリンクは、記事としては単なる文筆業に近い気がします。

1ついえることは、アドセンスの収入については、単にグーグルにサイトの一部を貸しているわけのような状態ですので、地方税法や政令で規定された業種のどれにも当てはまらないように感じます。

行政は無知ですので

課税する立場の行政は、無知なのか、一般人が無知なことに付け込んでいるのかはわかりませんが、【アフィリエイトは広告業】と断言してくることが多いです。
これは法解釈から見て極めて不適当です。

広告業だと言って来たら、まずは個人事業税における広告業の定義を聞きましょう。
広告業の定義は

広告業とは、対価を得る目的で、他人の依頼により広告を請負う事業をいう。
なお、自ら広告を行うことなく、広告の取次ぎをなすいわゆる広告取次業は広告業ではなく、周旋業に該当するものである。

他人の依頼で広告を請負っているアフィリエイターって、いるんですかね?

個人事業税は限定列挙ですので、法と政令で定められた70業種以外には課税できません。
アマゾンや楽天のアフィリエイトが仲立業に該当する可能性はありますが、アドセンスについては該当するものがないので、きちんと主張することは主張したほうがいいでしょう。

行政も、アフィリエイトについて、ほとんど知らない人が多いです。
県庁などから【アフィリエイトは広告業として扱いなさい】などと指示を受けているだけのこともあるので、件税事務所に聞いても噛み合わない可能性もありますが、おかしいものはおかしいとして主張していくことが大切です。

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