プロ野球選手に個人事業税がかからない理由。請負業にはならないの??

プロ野球選手は、個人事業主であることはよく知られていると思います。
プロスポーツ選手はだいたい個人事業主になっているのですが、そのため、貰う報酬は給与ではなくて事業所得です。

自分で確定申告しないといけません。

個人事業主には、法律で決まっている70業種を営む場合、個人事業税がかかることが知られています。
プロ野球選手は、個人事業税がかからない業種とされています。

なぜプロ野球選手は個人事業税がかからないのか?

法律で決まっている課税対象業種には、プロスポーツ選手というものはありません。
だから課税されない・・・と思いがちですが、第一種事業に請負業というものがあります。

請負業の定義は、事業税逐条解説という書籍に書かれています。

請負業とは、報酬の取得を目的として、ある仕事の完成を引き受け、これを完成させる事業をいう(民法632条)。(中略)
請負業とは、その事業が通常請負契約によって行われるものをいうのであるから、大工、左官、とび職、植木職、ブリキ職等でたまたま請負契約によることがあっても通常単に自己の労力を提供しこれに対する対価として賃金を受け取っているにすぎない者の行う事業については事業税を課さないものとすること。なお、その認定に当たっては、国の税務官署の取扱いに準ずるものであること。

要は個人事業税で請負業になるには、請負契約であることが条件になります。
プロ野球選手は、球団と契約をしているわけですが、何かの完成を引き受けているのかはやや疑問です。
なので準委任契約だと考えれば、請負業には該当しないともいえます。

ただし、請負契約であったとしても、プロ野球選手は請負業として課税されることはありません。
というのも、請負業の判定基準は、請負契約であること以外に、以下の4項目を満たすことを求められているからです。

(1)営業の範囲に属するものであること
(2)資本的経営を行っていること
(3)仕事の計画及び遂行について独立性を有すること
(4)危険負担を有すること

プロ野球選手は、その業務について独立性があるとはいえず、球団の指示によって動かされているのは明白です。
なので、限りなく雇用に近い形の個人事業主なので、請負業にはならないとされています。

実際にところ、プロ野球選手会は労働組合として認められていることからも、限りなく雇用に近い形の個人事業主です。
そのため、個人事業税は当てはまる業種が存在しないことになるため、課税対象外業種になるわけです。

他にも、雇用に近い形の請負は課税対象外

事業税逐条解説で、請負業について以下の文言があります。

請負業とは、その事業が通常請負契約によって行われるものをいうのであるから、大工、左官、とび職、植木職、ブリキ職等でたまたま請負契約によることがあっても通常単に自己の労力を提供しこれに対する対価として賃金を受け取っているにすぎない者の行う事業については事業税を課さないものとすること。なお、その認定に当たっては、国の税務官署の取扱いに準ずるものであること。

これは一人親方と呼ばれる建設関連業特有のものですが、一人親方として個人事業主になっている人が、どこかの工務店などから【ちょっと人手が困っているので手伝ってよ】と言われて工事に参加することもあります。
こういう場合、形式上が請負契約によって事業所得を得るものでも、国税庁の取り決めにより、給与所得として扱うことになっているのです。

一人親方が、お客さんから直接依頼されて家を建てるのは請負ですが、他の工務店などに頼まれて手伝うのは、限りなく雇用に近いということで、そういう場合は給与と見なしますという通達があるわけです。

他には、最近やたらと増えている、クイックリラクゼーション店のスタッフです。
そういうところのスタッフは、正社員ではなくて、個人事業主が業務委託でやっていることも多いです。
こういう場合、限りなく雇用に近いわけですが、仕事の決定などについては独立性がないので、個人事業税では請負業の認定基準を満たさないわけです。

ほかにも個人事業税がかからない業種はいくつかありますが、個人事業税で大切なことは、あくまでも限定列挙であるということです。
つまり法に列挙されていない業種には課税できないということです。

近年、特に請負業のように幅広い概念の業種に、無理矢理当てはめて課税してくるケースが増えています。
行政から課税通知が来たときに、まずは疑ってみるというのも大切なことです。

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